社会的孤立は日本だけの問題ではない― 世界に広がる”孤独”の現実

対人心理
Surreal painting hope lonely and loneliness of crowd concept. minimal illustration, conceptual art, digital artwork

みなさんは「孤独死」という言葉を聞いたことがありますか?独りきりで、誰に看取みとられることもなく、寂しく死んでいくというニュアンスがこの言葉にはあります。

特に過疎化が進む田舎では、住民同士のつながりが薄れ、孤立した生活を送る人が増えています。

では、東京のような大都市なら孤独を感じないかというと、そんなこともなくて、都市の喧騒けんそうの中でも、深い人間関係を築けないという孤独は存在しています。


海外でも進む孤独

こうした傾向をみると、「日本は孤独が進んでいる」と感じるかもしれません。しかし、外国のデータに目を転じてみると、社会的な孤立が広がっているのは日本だけではないということがわかります。

アリゾナ大学のミラー・マクファーソン教授は、アメリカの社会的孤立に関する論文を発表しています。米国では、代表的な国民のサンプルを集めた「ジェネラル・ソシアル・サーベイ(GSS)」という大規模な調査が行われています。1985年と2004年のGSSのデータを使って、約20年間でどれくらい孤立した人が増えているのか分析してみました。

分析結果

「あなたには大切なことを話す人が何人くらいいますか?」という質問に対して

1985年→平均2.94人ですが

2004年→平均2.08人へと減少していました。


「大切なことは誰にも話さない」という人は

1985年→10%ですが

2004年→24.6%へと増加していました


「1人にだけ話す」という人は

1985年→15%ですが

2004年→19%へと増加していました

分析結果を見て社交的なイメージのあるアメリカ人でも、人々が他者との関わりを避け、孤立を深めていることがわかります。

まとめ

日本の孤立化に対して懸念を抱く声は多いですが、これは先進国に共通する現代的な問題とも言えるでしょう。だからこそ、孤独は誰にでも起こり得る社会現象として、国を越えて向き合っていく必要があると私は考えます。

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