(重要)この記事は対人心理学の考え方が含まれております
『都会の人は冷たい』逆に「田舎の人は温かい」そんな言葉を耳にしたことはありませんか?
確かに、都会では困っている人がいても素通りしてしまう光景を見ることがあります。
一方、田舎では見知らぬ人でも親切に声をかけてくれることが多い。そんなイメージがありますよね。
でも本当に都会の人は冷たいのでしょうか?
実は、都会の人だって田舎の人と同じくらい優しい心を持っています。ただ、「人が多過ぎる」からこそ冷たく振る舞ってしまうのです。
「誰かが助けるだろう」と思ってしまう心の働き

都会では人が多いため、「自分がやらなくても、誰かが助けてくれるはず」と思いがちになります。このような心の働きを「責任の拡散現象」といいます。
逆に田舎では人が少ないため、目の前で困っている人がいたら「自分が助けなければ」と自然に感じてしまうでしょう。
この違いが、「温かい」「冷たい」といった印象の差を生み出しています。
実際の実験結果
カリフォルニア州立大学のポール・スコルニック教授は、ロサンゼルスの交通量が多い道路と、田舎道で車があまり通らない道路の両方で、男性、または女性のアシスタントが路肩に車を止めて、援助を求めるという実験を行いました。
<実験結果>
・都会(交通量が多い):助けてもらうまでに平均23.49台が素通り
・田舎(交通量が少ない):助けてもらうまでに平均2.56台素通り
この結果を見ると、「やっぱり都会の人は冷たいんだなあ」と感じますね。しかし、時間帯を夜に変更して実験し直してみると、なんと都会でも助けてくれる人が多くなるということがわかったのです。
つまり、人が少なくなり「自分が助けなければ」と責任を感じる場面になれば、都会の人もちゃんと手を差し伸べます。
優しさは場所ではなく「状況」で変わる
都会の人が冷たいわけではなく、ただ”助ける責任を感じにくい環境”にいるだけということがここまででおわかりいただけたと思います。田舎から都会に出てきて「怖いな」「心配だな」と感じる人もいるかもしれませんが、安心してください!都会にもちゃんと温かい心を持った人たちがたくさんいます。
あなたの優しさも、きっと誰かの心を温める日がやってくるでしょう。どこにいても、思いやりは必ず届きます。